共同住宅を設計するうえで検討しなければならない防火区画には次のような種類があります。
以上を押さえておけば共同住宅を設計するうえでの区画はたいていカバーできます。
区画の種類によっては扉などの開口部は防火設備を特定防火設備や遮煙性能を有する設備にする必要があるので設計者がどこにどのような種類の区画を配置するか決めていく必要があります。
では、実際の設計において、どのように区画を設定していくかの手順を紹介します。
区画の扉は特定防火設備で遮煙性能付。
区画貫通ダクトはSFDを設置。電気も必要です。
区画取り合い部のスパンドレルは不要です。
区画の扉は防火設備で遮煙性能付。
区画貫通ダクトはSFDを設置。電気も必要です。
区画取り合い部のスパンドレルは必要です。
例えば16階建ての共同住宅で法床面積が発生している屋内共用廊下とEV部分の各フロアの合計面積が100㎡の場合、2階~16階までの15層分の100㎡の面積がEVシャフト(この場合のEVの扉は竪穴区画の仕様の防火設備の場合)を介してつながり1500㎡になります。この1500㎡がさらに1階のエントランスホール等の共用部とつながると1500㎡を超えてしまうので1階部分のEVの扉は面積区画する必要があるということになります。
区画の扉は特定防火設備で遮煙性能不要です。
区画貫通ダクトはFDを設置。
区画取り合い部のスパンドレルは必要です。
つまり先ほどの例だと1階部分だけEVの扉の仕様を竪穴区画の防火設備の遮煙性能付扉から遮煙性能付の特定防火設備にして面積区画を形成すれば面積区画は成立します。
区画の扉は防火設備で遮煙性能不要です。
区画貫通ダクトはFDを設置。
区画の扉は特定防火設備で遮煙性能不要です。
区画貫通ダクトはFDを設置。
区画取り合い部のスパンドレルは必要です。
区画の扉は防火設備で遮煙性能不要です。
区画貫通ダクトはFDを設置。
(仕上げ・下地準不燃の内装制限で200㎡区画の場合は特定防火設備で遮煙性能不要です。区画貫通ダクトはFDを設置。)
区画取り合い部のスパンドレルは必要です。
以上が共同住宅における建築基準法の区画になります。
上記の内容を表にまとめるとこのようになります。
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これで終わらないのが区画設定の大変なところ。
次回は東京都建築安全条例の区画を設定していきます。
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