共同住宅を設計するには、まず敷地を起こす必要があります。敷地境界線と建物の位置関係には建築基準法などの様々な規制がありますので、敷地形状を正確に起こすことは後で手戻りすることを避けるためにも非常に重要な作業です。
計画が確定していれば測量会社による敷地測量図を入手します。これを元に敷地を起こすのが一番正確です。では実際の敷地の起こし方をみていきましょう。
CADはJWで敷地を起こすとして解説します。
- 敷地のデータがなくPDFや紙ベースで入手した場
①敷地のPDFをi Love PDFなどのサイトでJPEGデータに変換します
②JW側の縮尺は敷地全体が入る縮尺に設定
③編集→画像編集→画像挿入でJPEGにした敷地を挿入
※JPEGを取り込むにはSusie(Susie Plug-in package)のプラグイン(JWの拡張機能のダウン ロード)が必要です。これがないとデータの選択にJPEGが選択肢現われません。
④取り込んだ画像をわかっている数値に合わせて拡大縮小して実際の縮尺に合わせます。
これがわかりやすいサイトはこちらです。
(CAD全般のわかりやすいブログが載っています。DARE様ありがとうございます。)
⑤ 画像に合わせて敷地境界線をCADの線でなぞって敷地をCADの線情報で起こします。
⑥CADの線情報の敷地面積をCADであたっ測量図の敷地面積とあっているか確認しましょう。
⑦敷地面積が違っていたら敷地面積に合うように敷地全体を拡大縮小して敷地面積に合わせます。
実際の敷地面積がCADデータの面積の100倍であった場合はCADデータのX,Y方向を√100つまり
10倍してあげれば面積が合うはずです。紙ベースの敷地をなぞって敷地を起こしているので
多少の敷地形状の誤差はしかたなく正確性を求める段階で再度座標での敷地情報もしくは
CADデータとしての敷地測量図を入手して敷地は起こしなおしましょう。
(これはあくまで基本計画や土地購入前のボリューム出しを行う段階での手法になります。)
⑥真北も画像データに記載がある場合はこちらもなぞってCADの線情報とします。
⑦編集-画像編集-画像同梱をしておくとJPEGデータはJWW ファイルデータに取り込まれ
写真データを別のフォルダに移動したとしても画像がCADデータから消えることはありません。 - 敷地の境界ポイントの座標がわかっている場合
とってもわかりやすいサイトがあります。
(三建サービス様本当にわかりやすい解説ありがとうございます。)
文章化しますと
①ツールバー→その他(1)→座標→新規ファイル
②メモが開くので敷地の右上の座標から反時計回りにポイントごとに半角で
X座標 スペース Y座標 改行で座標を入力していきます。
最後に最初に入れた座標を入れてメモを保存して閉じます。
③ファイル名設定→先ほど保存したメモを読み込み→XY座標読み込み
④倍率1000倍にする(JWW上の縮尺は任意でOK)
⑤基準位置座標 → 一番新しい上の数字を選択
(こうすると磁北で形成されるらしいが確認必要です)
⑥最後にCADの線情報の敷地面積をCADであたっ測量図の敷地面積とあっているか
確認しましょう。
計画の検討段階で敷地測量図が入手できない場合は公図で敷地を起こします。
公図は敷地測量図ほどの正確性はないため事業が決定した場合は必ず再度敷地測量図で敷地を起こしなおしましょう。
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