最後に消防法の区画をみていきましょう。まず省令40号関連の共住区画です。
ちなみに省令40号関連は共同住宅を設計するうえで押さえておかなければならない大きな項目ですので別の機会でまとめたいと考えています。
特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成十七年総務省令第四十号)第二条第一号の規定に基づき、特定共同住宅等の位置、構造及び設備を次のとおり定める。
平成十七年三月二十五日
消防庁告示第二号
共同住宅を設計する場合、消防設備の緩和を受けるために省令40号をとることが多いです。
とくに多いケースが11階以上の共同住宅で共用廊下が十分開放されている場合11階以上の階の住戸内のスプリンクラーを免除するために省令40号を満たす建築計画をします。
第三 通常用いられる消防用設備等に代えて、必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等を用いることができる特定共同住宅等の位置、構造及び設備
省令第二条第一号に規定する特定共同住宅等は、その位置、構造及び設備が次の各号に適合するものとする。
三 特定共同住宅等の住戸等は、開口部のない耐火構造の床又は壁で区画すること。
~中略~
(三)住戸等と共用部分を区画する壁は、次に定めるところによること。
イ 開口部には、防火設備である防火戸が設けられていること。
省令40号の構造条件として共用部と住戸等は区画する必要があります。
住戸等と共用部分の定義は下記の通りになります。
二 住戸等 特定共同住宅等の住戸、共用室、管理人室、倉庫、機械室その他これらに類する室をいう。
平成十七年総務省令第四十号
三 共用室 特定共同住宅等において、居住者が集会、談話等の用に供する室をいう。
四 共用部分 特定共同住宅等の廊下、階段、エレベーターホール、エントランスホール、駐車場その他これらに類する特定共同住宅等の部分であって、住戸等以外の部分をいう。
特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令
この区画のがとても分かりやすく解説されているサイトがあります。
さいたま市が消防用設備等に関する審査基準 2019の 第3 位置、構造及び設備の要件
を参照してみてください。
次に令8区画です。共同住宅の1階にある店舗と共同住宅の用途の部分を令8区画することで店舗部分と共同住宅の用途部分は別の防火対象物としてみなして消防設備計画ができます。
都安の8条区画とは異なりますので注意です。
第八条 防火対象物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。
消防法施行令
しかし下記の条件を満たす小規模の店舗の場合は令8区画をせずに店舗部分も消防設備的には共同住宅のみなし従属部分として共同住宅の一部として消防設備を計画することが多いです。ただし建築基準法的には共同住宅と店舗部分は異種用途区画扱いになります。
① 主用途部分(共同住宅)の床面積の合計が、防火対象物の延べ面積の90%以上である。
消防法施行令
かつ
② 主用途以外(店舗など)の独立した用途に供される部分の床面積の合計が300㎡未満である。
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